今回、被害に遭ったのは何も私達、人間だけではないのはご周知の通り。
人々と共に多くの動植物にとっても大変深刻な被害が及んだ。
3月22日には海から内陸に2km入った仙台市内の田んぼから、津波で海から流されてきたスナメリの子供が救出されたという心温まる話を耳にし、感銘を受けた。
ヒトも動物も鳥も魚も虫も植物達も…同じ地球に暮らす生き物同士。
皆さんの中にも犬や猫、鳥、魚などのペットを飼っている方も沢山いらっしゃることだろう。私も昔からの動物好きなので気持ちは重々分かるのだが、例え自分達に危機が迫っている状況であっても、出来るならばペットは一緒に連れていきたいというのは飼い主であれば当然抱く気持ち。何故ならば、ペットは家族の一員だからだ。命の尊さに大小はない。津波で冠水している自宅から猫を背中に背負い、犬を抱きかかえながら、必死になって胸まで水に浸りながら脱出した今回、私も改めて「置いて行くことは絶対出来ない」と思った。その願い叶わなかった飼い主の方々や原発避難区域でそのままにせざるを得ない状態になっている牛や馬、豚などの畜産業・養鶏場の方々の気持ちを思いやると、今もなお心が激しく痛みます。
先日、迷い犬を保護し、最寄りの動物病院に相談し預けてきた。とても慣れっこい犬だったが、今頃、無事飼い主の元に戻っていることを切に願いたい。
さて―。 津波が押し寄せた地域では、その足元からも生々しい形跡が見て取れる。最近では撤去作業が着々と進んでいるが、津波と共に押し寄せたヘドロが乾燥し、それらが道路脇に集積されたままの所には多数の魚の死骸が転がっているのだ。
私が目にしただけでもマハゼに海タナゴ、スズキ、ボラ、ニゴイ、マルタウグイ(当地名:オゲ、オオガイ)、ブラックバス、ライギョ、ヘラブナ、コイなど淡水魚・海水魚共に混ざっており、海から侵入した大津波がどれほど川を経由して遡上していったかが改めて伺いしれる。特に堆積したヘドロ除去作業中には多くのマハゼの死骸が見受けられたし、又、当事務所の近郊でも道路や道端からブラックバス、ライギョ、ヘラブナなど近郊を流れる運河から津波で押し流されてきたと思われる魚の死骸は多く、震災後しばらく放置されていたため、見るに絶えず周辺清掃・消毒作業の際に私がまとめて一掃した。
これらを放置し続けることは、今後の衛生面に悪影響が出るおそれがあるし、何よりも水辺に立つ者の一人として、そのままにしてはおけなかった。これだけの魚が陸地に打ち上げられてしまうと、今後の生態系にも影響が出ることは必至で、特に内水面のようなクローズドエリア(閉鎖性水域)では元々、生存可能なキャパシティーにも限りがあるが、そこに住む生き物達が一斉に流されてしまえば、そこで新たな生命感を取り戻すことは難しくなる。
失われた自然をもう一度取り戻すために、私達に何が出来るのか。
いま、真剣に考えてはみませんか。
2011年5月14日 |
カテゴリー:その他
本日で震災から2ヵ月―。3月とはいえ、地震直後から辺り一面真っ白に雪が舞ったあの日から、季節はまた一つ移り変わった。どんなに科学が発達していこうとも地球の力、自然のパワーの前には人間の存在など小さなものに過ぎず、そして迫り来る大津波の脅威に対して、どれほど無力だったかを切実に痛感させられた結果となってしまった。
「ヒト」がこの世に出現し、現在に至る進化の過程において、私達はその時代ごとに文明を築き、歴史を造りあげてきた。そういった長い地球史の中で、これから私達はどうやって天災と向き合って生きていけばよいのだろうか―。世界有数の地震列島・日本に住まいする以上、正直な話、今後も地震とそれに伴う津波のリスクから逃れることは難しい。
第二次世界大戦後の日本が本当の意味で心の底から怯えた恐怖である、この東日本大震災。
これまで体験したことのない連動型巨大地震と想像を絶する大津波。更に追い打ちをかけた原発事故の発生と風評被害の四重苦。戦後最大の非常事態にして、“国難”とさえ言われるこの状況を日本はどう乗り越えていくのか、打破していくのか、…テーマは山積みであるが、この現状を乗り越えない限り私達に明るい未来はないと思う。
明治から昭和へ。昭和から平成へと世の中は進歩しながら時代は進んできた。
思えば、私達は豊かさを過剰に求め過ぎていたのだと思う。
人間にとって、“本当の豊かさ”とは何なのか。豊かさを追求する一方で失ってきた代償、その“つけ”が先の原発事故を含め今、深刻な問題となって露わになったのかもしれない。
隣県・福島で今もなお起こっている惨状はとても他人事ではない。同じ東北の地に住まう仲間達がこのひと時も苦しみ続けている。事態の一刻も早い収束を切に願うと共に、今後の私達の暮らしそのものも根本的に見直さなければならないし、実際にそうしていこうではありませんか。

こういった苦難は、私達のいない未来を生きる世代にまで、負の遺産・負の財産として持ち越しては決してならない。
平成23年3月11日、14時46分から2ヵ月が過ぎた本日。
私達は生涯、あの日を忘れることはありません。
改めて、犠牲になられた尊い命に心からご冥福をお祈り申し上げます。
2011年5月11日 |
カテゴリー:その他
当地も桜の花が散り、新緑の葉が日に日に鮮やかになってきた今日この頃。
南から北へ北上していくこの可憐な花々に私達、日本人は時代を超えてただならぬ想いを寄せてきた。
悲しみの地を屈強に通り抜けた前線は、いよいよ最終到達地である北の大地へと差し掛かった―。
大型連休中は多くのボランティアの人々が被災地に駆けつてくれていた。個々において、被災の程度は異なるものの、県内外から一同に集結した多くの善意に改めて感謝申し上げたい。
この連休中、ありがたいことにいまだ決着つかない後片付けに追われる私を見かねて学生時代の友人達も駆けつけてくれた。小学校の時に転校していった旧友や高校時代・大学時代の同級生達。その中には今、住まいしている茨城県や千葉県からも遠路来訪してくれ泊まり込みで手伝ってくれた。懐かしき思い出話にちょっとだけタイムスリップしつつも、せっかくの休日にも関わらず自らの休みを返上して、人のために尽力してくれたその気持ちに心底、感銘の一言。皆さん本当にどうもありがとう。
例年のこの時期、東北は田植え真っ盛り。農家の方はさぞかし多忙を極める時期であるが、今年の東北太平洋側沿岸部では大津波が運んだ汚泥と塩分(海水)による塩害問題が暗い影を落としているものの、乾いた田畑に水を引き田植えの準備をしている光景を見かけるようになってきた。毎年見かけるいつもの光景が少しずつ当地にも戻ってきているのだ。
淡いピンクの花が散れば、土手沿いに鮮やかな黄色のコントラストが映える。
春が過ぎれば、初夏はもうすぐ。
生命が躍動するこの新緑の季節に存分に想いを馳せつつ、震災から間もなく2ヶ月を迎える被災地の皆さん方、疲れすぎないよう“ほどほど”にもうちょい頑張っぺ…。
2011年5月9日 |
カテゴリー:その他
ありがたいことに、この大型連休は被災地でのボランティア活動に沢山の方々が来訪している。瓦礫の撤去やその後の後片付けなど、まだまだ多くの人手が必要なその一方で、走行出来る路面や交通網が限られているだけに、被災地での渋滞は非常に深刻な問題で、先を急ぐ緊急車両や救済支援車の通行にも悪影響が出ているのは実に気がかり…。
皆さんの中にもこの連休を利用して家族や親戚のお見舞い、あるいは奉仕の心で遠路、当地へ向かう方もいらっしゃるかと思いますが、その際、被災者の心情に配慮した意識だけはどんな時も心に留めておいていただければ幸いです。
とは言え、大きな被害を受けなかった地域の方々には、ぜひ有意義なお休みを楽しんで頂きたいもの。
そこで本日は乗っ込み期と重なり、いよいよ本格シーズン突入した東京湾の“クロダイ落とし込みゲーム”をご紹介。船宿は、あの「舟黒スタイル」で知られる神奈川県横浜市を拠点に東京湾の釣り全般をガイドされているアイランドクルーズフィッシングクラブ(icfc)さん。
近頃は落とし込み釣り専用ルアーとして開発された「Candy」が完成し、益々今後の発展が期待されます。このカラフルな飴玉型ベイトはルアーフィッシングの既成概念さえ崩しかねないところが凄い。
見渡す限り磯場が続く三陸リアス式海岸とは異なり、マンメイドストラクチャー豊富な都会の海で繰り広げられる繊細かつ豪快なスタイルは近年、多くのルアーアングラー達からも注目を集めています。
チヌ針に4B~6Bクラスのガン玉をセットしたライトリグをピッチングでバースパイルの隙間やシェードへ向けて静かに、そして正確にアプローチしなければならない難しさ。更に同クラスのシーバスを軽く凌ぐ、トルク溢れる重圧ファイト。
しかも相手がクロダイとくれば、それだけで興奮しますよね。
私もこの釣りに開眼して早5年。今ではこの釣りの魅力にどっぷりハマってしまい例年、竿を担いで横浜まで通っているわけです。
そんなボート落とし込みの魅力を、この釣りの開祖である船長皆さんが概要~実釣まで動画で丁寧に解説されています。

icfcでは例年「東北~北海道ロックフィッシュ釣行」でご一緒しているチーフキャプテン・遠藤正明社長、「シゲさん」こと家田成大キャプテン、「フミX」こと今林文隆キャプテン、そして「塾長」や「マスター」の愛称で知られる黒鯛一筋の“熱血船長”・池田暁彦キャプテンの4人が在籍。クロダイが好きな方、クロダイ釣りに興味をお持ちの方は、そのファイトシーンだけでなく、船長達の竿を振る角度や振り込み方(ルアーの弾道に着目)、着水点、アタリの捉え方、魚が掛かってからの竿のさばき方(いなし方)には一層注視しながらご覧頂くと、凄く勉強になりますよ。
関東近郊にお住まいの方は勿論、この連休どこに釣りに行こうか迷っている方、ぜひ横浜に出向いてみてはいかがでしょうか。
都会の海で楽しめる大物釣り…クロダイ。
まずは、ぜひご体験下さい!
2011年5月2日 |
カテゴリー:その他
早いもので明日から5月。ようやく細かいところまで作業の手が回るようになってきた近頃。
本震の際の強烈な揺れでも家財被害は大きく、増してその後に押し寄せた津波によって、テレビや冷蔵庫、エアコン等の大型家電や車に至るまで使用不能となった「震災廃棄物」は被災地では決して少なくない。
又、強烈な揺れに耐えきれずホルダーごと吹っ飛んだ際に破損した我が釣り竿も数知れず。
私にとって釣り道具は己の人生をかけた商売道具でもあるが、長らく大事にストックしてきたルアーやフック、シンカー、ラインなどの多くも水没したために半数以上をやむなく廃棄しなければならなくなったのもまた現状なのである。
それでも、しっかり汚れを落とせば元のように使える物は、再び第一線の舞台で存分に活用したい。
「汚れたから」といって割り切って捨てるのは簡単だが、これまで苦楽を共に乗り越えてきた道具達には愛着という次元ではなく、少なからず私の魂そのものが宿っている。
簡単に捨てることは出来ないんですよね…。
ジグヘッドやオフセットフック、シンカーを収納するタックルケースを開ければ、案の定、悪臭を放つ濁った海水と錆々になった針やシンカーが出てくる。使用不能になったとは言え、自分が信念を持って作り上げた究極の釣り針を自らの手で廃棄しなければならない辛さ。心に重く突き刺さる。タングステンシンカーは真水に浸し、丁寧に洗い直せばまだいいにしても、ブラスシンカーは錆が進行して既に劣化。プロトのジグヘッドも再使用不能だ。それでも、まずは丁寧に洗い流すことから地道に作業を進めた。
それから釣り竿。画像の竿はもう15年来使ってきた私のカレイ竿。性能面では最新鋭の竿には及ばないかもしれないが、私にとっては宝物の一つ。近年、ルアーフィッシングの割合が多くなったために出番は減ってしまったが、元々私はエサ釣りから入門したこともあって、特に防波堤の探り釣り、投げ釣り、船釣りは大好きな釣りモノだった。中学の頃から愛用しつづけてきた、この古いカレイ竿が泥の中に埋まっていてもこの災害を共に乗り越えてくれたのには、何だかとてもうれしくなった。
ローカル話で恐縮ながら、かつて鐘島水道、寒風沢水道、鰐ヶ淵水道といった松島湾でベッコウゾイの流し釣り(テンヤあるいは片テンビン仕掛けにエサのドジョウを掛けて誘う)を覚えたのもこの竿。(これが、後に私のロックフィッシュゲームに発展する。)
それから牡鹿半島の網地島や女川湾、志津川湾など沿岸の浅場で狙う「マコガレイのかかり釣り」で凄く好きだったのもこの竿。先調子、今で言う“ファーストテーパー”なのだが、コヅいた時の感触が抜群で、魚のアタリを“聞く”動作をマスターしたのもこのカレイ竿によるものだった。この手に染み込んだ“絶対感覚”はジャンルこそ違えど、エサ竿からルアー竿へ持ち替えた時にも、そして今現在も変わらず釣技の基礎となっている。
投げ竿に磯竿、ガングリップのバス用ベイトロッド、果てやGTロッド等々…泥まみれになりながらも、まだまだ出てくる年季の入った道具達を懐かしみつつ「また、これからもよろしく頼むよ」と丁寧に磨き上げたひと時は、釣り師にとって、何よりの「至福の時」なのかもしれません。
2011年4月30日 |
カテゴリー:その他
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